今日は最近ニュースになっているマイナンバーカード返納問題について、思うところを書いてみますね。
結論から言うと、マイナンバーカードを返納することは、便利な未来の放棄というだけでなく、国を無条件で信頼する、という行動になるでしょう。
たぶん、カードを返納した方の意図は、国のやることなんか信頼できないという意思表示のつもりだと思うんですが、実は全く反対の結果になっていることに、気が付いていないと思います。
さて、マイナンバーカードに関連することで問題が起こりまくっている、という印象を持っている人もいるかもしれません。他人の住民票の発行、他人の保険証情報の紐づけ、他人の公金受取口座が登録された、などの問題が報道されているからでしょう。
今起きている問題については、下記のサイトで詳しく解説されていますので、興味のある方は、見ておいて下さい。
ちなみに、他人の住民票の発行については、発行システムの負荷が原因。誤発行枚数は１４枚(23年度発行枚数の0.00059%)。他人の保険証情報の紐づけは、健康保険組合などの入力ミス。マイナンバーカードの健康保険証利用を設定している数は、2023年6月25日時点で6,441万2,213件。別人の保険証情報が登録されていたのは、全体で7,372件(全体の0.01％)。他人の公金受取口座登録は、役所の端末から登録した際の運用ミスが原因。公金受取口座の登録数は累計で5,621万6,466件。このうち誤登録は940件(0.00167%)。
こう見てみると、マイナンバーカード自体の問題ではなく、さらに全体からみたら0.01%以下のことを取り上げて、大騒ぎしている状況と言えるでしょう。
私はIT関係の仕事を30年以上やっていますが、会社で新システムを導入する場合など、これくらいの不具合なら万々歳です。あなたがもしサラリーマンなら、会社のシステム導入時に不具合ゼロなんて、まずありえないことを知っていると思います。もし、ちょっとでもエラーがあったらシステムの導入そのものを辞める、なんてことはありえないことを知っていると思います。私は、この程度の数の不具合は想定内で、そのまま進めてもらいたいと考えいます。そのほうが、多くの方にとって便利な世の中になると思うからです。
ただ、１件の不具合も許さない！という人もいると思います。
たぶん、そういう人は人生で一度もミスしたことがないのではないでしょうか？もしくは、自分はミスしても許されるけど、他人のミスは絶対に許さない人、国は絶対に悪いことをやっていると信じて疑わない人なのでしょう。
こういう人たちがマイナンバーカードを返納していると思います。そして、ニュースでそれを知った人の中で、国は信じられないとか、お灸をすえてやりたいという人が返納しているのではないでしょうか？この、ごく少数の人たちの行動を、大きく見せるのが、マスコミの得意技。あえて全体で何パーセントの人が返納しているのかは触れず、人数や対前月比だけを出すのです。それを見抜く力がないと、騙されっぱなしになる可能性があります。
ですが、マイナンバーカードは、ただの身分証明書なので、たとえ返納したところで、マイナンバー自体が消えるわけではありません。むしろ、マイナポータルで自分の情報がどこまで登録されているのかを自分でチェックできる権利を放棄していることになります。それって、国に完全におまかせ、ってことですよね。個人的にはそっちのほうがあぶない気がしますが、返納した人は、全然わかっていないのでしょう。まぁ、返納してしまった人には知らぬが仏です。
こういうシステム化とか、新しいことを進めようとすると、必ず反対する人が現れます。１つのミスでもあれば、それを攻撃してやっぱり今ままがいいんだ、声高に発信します。それって、新しいことへの不安の裏返しでしょう。不安を感じている人や、反対している人に寄り添ったり、意見を聞くことは大事です。ただ、それがゼロになるまで先に進めないとすれば、実際問題、新しいことは絶対できなくなるでしょう。
マイナンバーでどんなに便利になるとか、かかる費用が大幅に減ることがわかっていても、反対する人は絶対に反対し続けます。それは、福島第一原発の処理水を見ればわかると思います。IAEAの調査が出ても、韓国も中国も、福島の漁業関係者も、絶対に反対の姿勢を変えません。科学でもなんでもなく、立ち位置の問題、感情の問題だからです。少数でも反対の人がいれば先に進まないのか？それとも反対はあっても先に進むのか？あなたはどっちが良いと思いますか？よかったら考えてみて下さい。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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