
何故だか、眠れない日ってありますよね。
私にも、稀にそんな日があります。
先日も、非常に珍しく、眠れない夜がありました。
眠れない理由は、はっきりしているようで、
実は、よくわからないことが多いというのが
私の印象です。仕事が大きく失敗したわけで
もないし、翌日が特別な日というわけでもな
い。あの夜もそうでした。
眠れない夜って、頭の中にいくつもの考えが
浮かんでは消え、浮かんでは消え、気が付く
と時計の針だけが進んでいるもの。
「このままでいいのかな」
50代になると、こういう問いが、
ふいにやってきます。
若い頃のような焦りはない。
でも、確信もない。
この先、何を大切にして生きたいのか
今の延長線上に、望む未来はあるのか
もう一度、何か始める余地はあるのか
考えても、答えはきれいにまとまらない。
その日は、たまたまスマホを手にとった。
SNSを見る気にもならず、
ニュースを読む元気もない。
じゃあ、AIで暇つぶしでもしようかと。
正直、期待はしていなかった。
自分の人生に関係があるとは
あまり思っていなかったからだ。
画面に向かって、短い文章を打ち込んだ。
「50代の今、これからの人生で
大切にしたほうがいいことを整理してほしい」
それだけ。たいした意味も、立派な質問もない。
少し待つと、静かに文字が並び始めた。
そこに書かれていたのは、未来を決めつける
言葉でも、励ましの名言でもなかった。
これまで大切にしてきたこと。
これから手放してもいいもの。
今後、時間を使う価値があるもの。
まるで、自分の頭の中を、少し俯瞰して
整理してくれたような文章だった。読み終え
たとき、胸が熱くなることはなかった。
でも、なぜか肩の力が抜けていた。
「全部、一人で考えなくてもいいんだな」
そう思えた。
AIが答えをくれたわけじゃないし、人生の方
向を決めてくれたわけでもない。
それだけなのに、さっきまでの重さが、少し
だけ軽くなっていた。結局、その夜になにか
劇的な決断をしたわけでもない。明日から人
生が変わるとか、そんな予感がしたわけでも
ない。
でも、眠りにつく前に、「まだ、ゆっくり
選び直していいんだな」と感じたことは事実。
50代からのAIは、人生を変える魔法ではない。
でも、人生と向き合うときの隣の席には、
ちょうどいい存在かもしれない。
もしいつか、あなたも眠れなかったら、
ちょっと試してみて欲しい。