
物事がうまくいかないとき、
こんな風に考えていませんか?
「何が足りないんだろう?」
もっと努力が必要なのか、もっと知識を身に
つけるべきなのか、もっとスキルを磨かなけ
ればならないのか。
そうやって「足りないもの」を探し続け、あ
れこれと付け足そうとする。これは本当に多
くの人が陥りがちな思考パターンです。
しかし実は、もう一つ大事な視点があります。
それは、今の環境や、何かが足りないという
考え方そのものが、失敗の要因かもしれない
ということです。
海水魚が教えてくれた驚きの真実
興味深い事例をご紹介しましょう。
現在、漁業の養殖で世界的に注目されている
技術に「環境好適水」というものがあります。
この技術のすごいところは、従来の常識を
疑う視点を取り入れたことにあります。研
究者たちは「もしかして、海水って魚の成
長にマイナスになっているかも?」という
大胆な仮説を立てたのです。
海で生まれ育った海水魚にとって、海水は
最も自然で快適な環境だと誰もが思ってい
ました。なにせ、母なる海なんて言葉がある
くらいです。しかし研究の結果、実際には海
水の塩分濃度は海水魚にとってもストレスで
あることが判明したのです。
魚たちは常に体内の塩分バランスを保つため
に、過剰な塩分を排出し続けなければならず、
そのために膨大なエネルギーを消費していた
のです。まるで私たちが塩辛い食べ物を食べ
続けて、のどが渇いて水を飲み続けているよ
うな状態を想像してみてください。
研究の結果、海水の4分の1程度の塩分濃度が
最も快適であることがわかりました。その
ような環境好適水の中では、海水魚はより早
く、そして大きく成長できることが実証され
たのです。つまり、「自然な環境」が必ずし
も「最適な環境」ではなかったのです。
私たちの日常にも当てはまる「多すぎる問題」
この海水魚の話は、私たちの日常生活にも
深い示唆を与えてくれます。
あなたの今の環境や、日々与えられている
情報が「多すぎる」という可能性も考えて
みる必要があるのです。特に、何をやって
もうまくいかないという場合には、何かを
新しく始めるよりも、何かをやめた方が
うまくいく可能性もあるからです。
現代社会は情報過多の時代です。SNSからは
絶え間なく他人の成功話が流れてきて、
ビジネス書には「これをやれば成功する」
というノウハウがあふれています。
オンライン講座では「スキルアップしまし
ょう」という誘いが次々と舞い込んできます。
私たちは
「もっと学ばなければ」
「もっと頑張らなければ」
と思い込み、どんどん新しいことを追加して
いく傾向があります。しかし、その結果とし
て情報消化不良を起こし、集中力が分散され、
かえってパフォーマンスが低下してしまう
ことも少なくありません。
「引き算の発想」を取り入れてみる
このように人は、何かがうまくいかない時、
「何が足りなかったんだろう?」と考えて
しまいがちです。でも、実は何かが多すぎ
たのかもしれないのです。
例えば、仕事で成果が上がらない時、新しい
スキルを身につけることばかり考えるのでは
なく、今やっている無駄な作業や会議を減ら
すことを考えてみる。人間関係がうまくいか
ない時、新しいコミュニケーション術を学ぶ
より先に、ストレスを与えている関係性を
整理してみる。
学習効果が上がらない時、より多くの教材を
買うのではなく、今取り組んでいることを絞
り込んでみる。このように「引き算の発想」
を取り入れることで、意外な突破口が見えて
くるかもしれません。
今日から始められる「引き算思考」
環境好適水の研究者たちが「海水は本当に
最適なのか?」と疑問を持ったように、
私たちも自分の置かれている環境や取り組
んでいることを一度疑ってみることは大切
です。
今日から、「何を足すか」ではなく
「何を減らすか」という視点を意識して
みませんか?きっと新しい発見があるはずです。
ここまで読んでくださり、
ありがとうございました。